どうしてこうなってしまったのか。それは、企業全体の目標を、部分目標に分解可能だと、皆が信じていたからだ。そして皆が、自分自身にあて
られた尺度で頑張ることの意義を、誰も疑わなかったからだ。
利益=売上-原価 だとしても、それを売上目標と原価目標に分解したら、なぜ売上と原価を、それぞれ独立にマネージ可能だと思うのか。新製品で売上を伸ば
せば原価率は上がるし、少品種大量生産で製造原価を落とせば、多様な顧客ニーズを満たす売上は達成できまい。運動会の綱引きならば、一人でも力を抜けば全
体の力が落ちる。しかし、販売と製造、設計と物流は足し算では動いていない。全体のダイナミクスは連動しており、頑張るべき部分と、手を抜いて様子だけ見
ていればいい部分は、そのときどきで動的に移っていく。それを決めるのが戦略なのだ。なぜなら、(かつて引いた知人の言葉を借りれば)『戦略とは無駄な戦
いを略くこと』だからだ。
Posted on Monday April 5th